2013年7月19日金曜日

会社での虐待の実態

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(以下、障害者虐待防止法)が2012年10月に施行され、法に基づいて『使用者による障害者虐待の状況等』について公表されました。(今回は2012年度分として、2012年10月~2013年3月まで)

《調査報告》
 ①使用者による虐待が認められた事業所は133事業所
  *都道府県から労働局へ報告があった→21事業所
  *障害者・家族・同僚からの労働局への情報提供および相談があった→37事業所
  *労働基準監督署の臨検監督およびハローワークの事業所訪問で把握した→75事業所
 ②虐待を行っていた使用者は136名
  *事業主→113名
  *所属の上司→19名
  *その他→4名
 ③被虐待者の障害種別
  *身体→25名
  *知的→149名
  *精神→23名
  *発達→4名            ※重複をしている場合あり
 ④虐待の内容
  *身体的(暴行、拘束等)→16名(身3名、知11名、精2名、発1名)
  *性的虐待→1名(知1名)
  *心理的(暴言、拒絶、差別的言動等)→20名(身3名、知13名、精5名)
  *放置(衰弱する、虐待行為の放置等)→15名(身1名、知11名、精2名、発1名)
  *経済的(賃金不払い、強制的に通帳を管理および引出し)→164名(身19名、知133名、精
   15名、発3名)          ※重複している場合あり

この状況は、大変に問題です。

障害者は障害を理由に就労するにあたって、労働条件等ですでに劣悪です。加えて、虐待をされたとなると働き続けられなくなりますし、就労意欲も低下します。まさに、現代の雇用状況と同じです。

今回は、半年の調査です。それでこの数ですから、一年となるとおそろしい数字になると考えられます。また、これらの数字は、氷山の一角ではないでしょうか。

障害者は働いていて、「働けるだけでありがたい」「仕事がみつからないので、問題があってもがまんするしかない」と思っている人が多数です。家族の人たちも同じです。

障害者が働くということに、障害のない人と違いはありません。支援と配慮があれば、労働能力を発揮することができます。

障害者に対する差別や無理解は少しずつ減ってはきています。しかし、これが現実です。

こういう状況が起こるのは、国の適切な支援と理解を向上させる取り組みが少ないからです。
障害者雇用促進法が改正されました。これを機会に、国は真剣に、障害者雇用の充実を名実ともに行って欲しいものです。

この虐待問題は、労働組合があれば防げたことも多々あると考えます。障害者のことを理解し、障害者の立場で、問題を解決する必要があります。

障害者ユニオンは必要です。

ご一緒に、障害者雇用問題を解決していきましょう。

職場での困りごとをお寄せください。